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代理店に外注ディレクターが必要な理由

代理店に外注ディレクターが必要な理由

UEURA
TIPS

アートディレクター 上浦 はる奈

1:営業も制作も不満だらけ。足りないのはディレクションという役割

小規模な広告代理店では、営業とデザイナーだけで案件を回す体制も多く見られます。

営業はクライアントと価格交渉や企画提案に尽力し、
デザイナーは限られた時間でアウトプットに邁進する日々。

しかし、そんな体制の中でよく聞かれるのが、

「提案資料作り、進行管理、撮影立ち合い…すべてを自分でやっていて限界」
「企画や提案ディレクション業務が必要な案件には手が回らない」

という声です。

■ 制作と営業、立場の違いから生まれる溝

制作側からは、
「営業はデザインのことを分からずにトンデモな指示をしてくる」
「どれだけ大変か分からず“サクッと作って”と言われる」

という不満が。

一方、営業側からは、
「せっかく苦労して折衝してきた案件を忙しいからと後回しにされる」
「クライアント打ち合わせ同行はデザイナーの制作時間を削るため気を使う」

といった不満が噴出しがちです。

■ 宙に浮くディレクション業務

本来、クライアントと制作の橋渡しとして方向性を定めクオリティを保ち、
進行管理を行うのがディレクターの役割ですが、
実際には「営業がやるべき」「いや、デザイナーがやるべき」と、
ディレクション業務が宙に浮きがちです。

しかも、デザイン経験がない営業によるディレクションでは、
指示の精度が低く現場にもクライアントにも不都合が起きやすい。
かといって、デザイナーがディレクションまで担うと、
肝心の制作時間が削られ、慣れていなければ満足なヒアリングや提案ができない。

■ 外注ディレクター導入で停滞を突破しよう

ディレクター業務を営業やデザイナーによる「兼務」で回していると、
提案スピードもクオリティも頭打ちになり、社内のストレスも高まりやすい。
営業も制作もお互いに不満を抱え、チーム全体の空気が停滞してしまいます。

しかし実は、外注ディレクターを起用することで、
営業も制作も自分たちの強みに集中でき、“もっと上手くいく”のではないでしょうか。


2:外注ディレクター導入で得られる3つのメリット

(1) 本来の専門分野に集中でき、案件回転率が上がる

外注ディレクターが進行管理やクライアント折衝を担うことで、
営業は営業活動に、デザイナーはデザイン制作に専念できる体制が整います。

特にデザイナーは、実務経験者であっても、クライアント折衝やディレクションは苦手なことが多い。そもそも原稿が揃っていない、何を制作すればいいかすら決まっていない「ゆるふわ」な案件はデザイナーだけで取りまとめるのは厳しいでしょう。
また営業も、デザインに精通していなければクリエイティブなディレクションで細かなやりとりをするのは難しいもの。

ディレクターが外注で加わることで、
各メンバーが自分の得意分野に集中でき、パフォーマンスが最大化されます。

(2) 専門性による提案品質の向上

経験豊富なディレクターは、クライアントの要望や課題を引き出して言語化する力に優れています。
場合によっては、打ち合わせの場で即興で提案をまとめることもあります。

さらに、デザイナー出身のディレクターであれば、デザイン知識を活かした説得力ある提案ができ、制作チームへの指示も的確です。

外注ディレクターが入ることで業務が潤滑に回り、
クライアントからの信頼度も向上し、結果として継続受注につながります。

(3) そもそもディレクター人材は希少。外注で補うのが現実的

広告業界全体で見ても、ディレクターの絶対数は少ないと言われています。

デザイナーからディレクターへキャリアチェンジする人は非常に限られ、
また営業出身者がディレクションを専門職として選ぶことも稀です。

つまり、制作する人はいても、間に立って案件をまとめ、的確に指示を出す役割を担う人材は不足しているのが現実です。
特に小規模代理店では、大手のように社内ディレクターを多数抱えることは難しいでしょう。

外注ディレクターであれば、
雇用に必要な給与・社会保険・育成コストもかからず、
必要な時に必要な分だけ依頼できるため、人材不足解消と固定費削減が同時に叶います。


3:外注ディレクターの導入事例

実例1:印刷会社 × 外注ディレクション

印刷会社内では、営業と製版デザイン部が案件を回していましたが、
デザイン部はあくまで製版中心で、クライアントとの打ち合わせや企画は営業が兼務している状況でした。

当初は外注デザイナーとして依頼を受けていましたが、案件の取りまとめにディレクションが必要なことも多く、打ち合わせ同行、企画提案、撮影など、ディレクション業務をメインに任されるようになりました。

結果として、営業は営業活動に集中できるようになり、安定したリピート受注につながっています。

実例2:紙媒体中心の代理店が、大型Web案件を受注

これまでチラシやメニュー表など、営業+デザイナーだけで進行できる紙媒体が中心だった代理店。
しかし、コーポレートサイトやリクルートサイトリニューアルといった大規模案件が持ち上がり、社内に経験者がいなかったためディレクション部分を外注。

弊社スタッフがクライアントへの打ち合わせ同行から要件とりまとめ、社内制作への橋渡しまでを担い、スムーズな進行と提案品質向上に貢献しました。

[実例3:大手代理店の穴埋めディレクター]

実のところ、広告代理店大手でもディレクター人材は不足気味です。

大ボリュームのカタログ制作など営業、ディレクター、制作会社、撮影チームと大人数が動く案件では、クライアントの要望を取りまとめて制作や撮影チームと連携するディレクション業務が重要になります。

弊社スタッフが外注ディレクターとして参画し、不足部分を補うことで、案件を円滑に進行させ、納品まで責任を持って担いました。


4:結論 – 小規模代理店の成長には、外注ディレクターが必須

これまでのように「〇〇を作ってください」というクライアントからの指示待ち受注だけでは、
単価競争に巻き込まれ、ランサーズなどのクラウドソーシングに競り負ける時代です。

どの企業も経営課題や採用課題を抱えている今、
求められるのは

「提案型」

「伴走型」

「成果型」

といった課題解決力です。

外注ディレクターを起用し、営業も制作も自分たちの強みに集中することで、
このような課題解決型の大型案件受注へ踏み出せます。

弊社では、外注ディレクション業務を承っています。

営業より前に出すぎず、控えるべき場面はきちんとわきまえる立ち位置を意識し、ディレクションに徹して制作へと指示をつなぎ、クライアント信頼度向上に寄与します。


さらに、社内リソースが足りない場合にはデザイン業務も受託可能です。
ぜひGOODCREWへお問い合わせください。

GOOD CREW アートディレクター 上浦 はる奈